A3.ゼオライトはその構造固有の細孔を有しており、通常0.2~1.0 nm(1nm=1×10-9m)で分子径に相当するマイクロ孔径を持った多孔体です。ゼオライトの細孔は一般に、出入り口の細孔径によって大まかに分類され、下図に示されるような分子ふるいの作用を生じます。一方、その細孔径が分子オーダーであるため、細孔内に入った分子がその細孔内に吸着し、留まる現象が生じます。これがゼオライトの吸着の原理で、ゼオライト種によってその吸着特性は大きく変化します。ゼオライトの吸着特性に及ぼす様々な因子を以下に示します。
(1) 細孔構造(次元、員環数、形)
(2) イオン交換・化学反応による細孔径制御
(3) Si/Al比の相違による親疎水性制御
(4) 吸着分子と吸着剤の極性
(5) 吸着分子の径と形
(6) 温度による拡散係数の変化
このように、様々な因子に依存するゼオライトの吸着特性は大幅に制御することが可能です。